yumineko中学1年音楽シューベルトの「魔王」について、どんな内容なのか?と、定期テスト・期末テストで出る問題の確認ができるよ!
目次【本記事の内容】
「魔王」とは?基本情報をおさらい
ドイツ語タイトル:Erlkönig(エルケーニヒ)
作曲者:シューベルト
作詞者:ゲーテ
時代:ロマン派
曲の種類:リート
演奏形態:ピアノ(伴奏)と独唱
「魔王」の日本語歌詞
誰がどんなセリフをいうのか、把握しておこう!
【語り手】
風の夜に 馬を駆り 駆けりゆくものあり
腕にわらべおびゆるを しっかとばかり抱けり
【父】
ぼうや なぜ 顔かくすか
【子】
お父さん そこに見えないの 魔王がいる こわいよ
【父】
ぼうや それは さぎりじゃ
【魔王】
かわいい ぼうや おいでよ 面白いあそびをしよう
川岸に花咲き 綺麗なおべべが たんとある
※おべべ=洋服 たんとある=たくさんある
【子】
お父さん お父さん 聞こえないの 魔王が何か言うよ
【父】
なに あれは 枯葉のざわめきじゃ
【魔王】
ぼうや 一緒においでよ 用意はとうにできてる
娘と踊ってお遊びよ 歌っておねんねも さしたげる
いいところじゃよ さあおいで
※おねんね=ねること さしたげる=させてあげる
【子】
お父さん お父さん それそこに 魔王の娘が
【父】
ぼうや ぼうや ああそれは 枯れた柳の幹じゃ
【魔王】
かわいや いいこじゃのう ぼうや じたばたしても さらってくぞ
【子】
お父さん お父さん 魔王が今 ぼうやをつかんで連れてゆく
【語り手】
父も心おののきつ 喘ぐその子を抱きしめ
辛くも宿につきしが 子はすでに息絶えぬ
「魔王」で重要なポイントはココ!

シューベルトが生まれた国
シューベルトが生まれたのは、オーストリアのウィーン郊外。
ゲーテが生まれた国
ゲーテが生まれたのはドイツのフランクフルト。
シューベルトの経歴
シューベルトは15歳ころから作曲を始めたよ。
「魔王」を作曲したのは18歳のとき。
シューベルトが亡くなったのは31歳。
なんと600曲以上のドイツ語歌曲を作曲したんだ。
そのため、「歌曲の王」と称されているよ。
他の代表作は、「野ばら」や「ます」「未完成交響曲」などがあるよ。

リートについて

リートとは、ドイツ語の歌曲のことなんだ。
「魔王」は、リートという曲の種類で、これはテストでもよく出るので絶対覚えよう!!
演奏形態について
「魔王」の演奏スタイルは、独唱とピアノ伴奏。
独唱なので、歌う人は1人!!
「魔王」には、魔王や父、息子と語り手の4つの役が登場するけど、1人の人が4つの役を全部歌うんだ。ここがポイント!
伴奏はピアノだけなので、オーケストラなどは登場しないので注意!!
「魔王」のストーリーについて
魔王のストーリー
①嵐の夜に、息子を連れた父が馬を走らせている。
②そこに魔王があらわれ、息子が父に恐怖を訴えるが、父には魔王の姿が見えず、そのまま馬を走らせ続ける。
③家にたどり着いた時には、息子は亡くなってしまっていた・・。
語り手について
語り手とは、「物語の説明をする人」。
「魔王」では、語り手は曲の最初と最後だけに登場するんだ。
最初では、「嵐の夜に父が息子を連れて馬を走らせている」という内容を伝えて、
最後には、「息子はすでに息絶えていた」という内容を伝えているよ。
登場人物ごとの歌い分けについて

「魔王」は独唱なので、歌う人は1人。
なので歌う人は、「魔王」「父」「息子」「物語の説明」の4つの部分を1人で歌わなくてはいけない。
なので、声のトーンを変えて、4つの役を演じ分けているんだ。
4つの役のときの、それぞれの歌い方
「語り手」のとき
物語の最初では、声の調子を変えることなく、たんたんと歌う。
最後に息子が亡くなってしまったことを伝える部分では、激しく歌う。
「息子」のとき
魔王が現れて恐怖を感じると、だんだんと声が高くなる。
「父」のとき
息子を落ち着かせるため、低い声で歌う
「魔王」のとき
最初は優しく、だんだんと脅すように歌う
「子」の旋律(メロディー)の変化について
歌い手が「子」の恐怖を表現するために、「声を高くしていく」のだけれど、実はストーリーが進むにつれて、子の旋律(メロディー)自体がだんだんと高くなっていっているんだ。
1回目:「ラ」から歌い出す
2回目:「シ」から歌いだす
3回目:「♯ド」から歌いだす
4回目:「レ」から歌いだす
ピアノの伴奏について

ピアノの伴奏では、「嵐の中を馬が走っている様子」や「不気味な様子」を表すために、工夫がされているんだ。
馬が走っている様子を表すのに、「3連符」が使われているよ。
この3連符は、1つの音符の長さを3つに分けて連続させているもの。
魔王で登場する3連符は、「四分音符」を3つの八分音符に分けているよ。
「タタタ」「タタタ」「タタタ」「タタタ」となるので、リズム感が出て、まるで馬が走っているような表現ができるよね。
また、音が連続して上がっていって、また落ちていく「♪ソラシドレミ ♪レ ♪シ ♪ソ」という部分では、「不気味な様子」を表しているんだ。

また、ピアノは物語と一体となって表現しているのもポイント。
物語の初めでは、語り手は「たんたんと」伝えるよね。
なので、ピアノの伴奏もとても弱く演奏されるんだ。
このとても弱く弾くことを伝えるために、楽譜には「pp(ピアニッシモ)」が使われているよ。

さらに魔王が息子を誘惑するとき、魔王は初めはとても優しく歌うよね。
なので、ピアノ伴奏はさらにとても弱く演奏される。
ここでは「さらにとても弱く」弾くことを伝えるために、楽譜には「ppp(ピアニッシッシモ)」が使われるよ。
息子が伝える内容について
息子は、物語の中で4回、父に魔王がいることを伝えようとするよ。
息子が伝える4つの内容を順番にすると?
①魔王がいることを、「お父さん、そこに見えないの?」と伝える
②魔王の声がするのに、「お父さん、聞こえないの?」と伝える
③魔王の娘が出てきて、「お父さん、それそこに魔王の娘がいるよ」と伝える
④魔王が腕を掴んできたので、「お父さん、魔王が今坊やをつかんで連れてゆく」と伝える
「魔王」では、定期テストにこんな問題が出る!
問1
問2
問3
問4
問5
問6
問7
問8
問9
問10
問11
問12
問13
問14,
問15
中学音楽テスト「魔王」まとめ
★よく出るポイント★
- 作曲者はシューベルト(「歌曲の王」と称される)
- 作詞者はゲーテ
- シューベルトが18歳の時に作曲した
- シューベルトが生まれたのはオーストリアのウィーン
- ゲーテが生まれたのはドイツのフランクフルト
- 曲の種類は「リート」
- 演奏形態は独唱とピアノ伴奏
- 語り手・息子・父・魔王が登場する
- 3連符が使われている
- ピアニッシモが使われている
- 詩の内容、歌とピアノ伴奏が一体となっている
- 登場人物に合わせて歌い方が変えられている
- シューベルトの代表作は他に「野ばら」と「ます」などがある
