「不等号」「絶対値」をわかりやすく解説(テスト対策ポイント)

中学数学「数の大小」

yuminekoyumineko

このページでは、中学数学「数の大小」を学習するときに登場する「不等号ふとうごう絶対値ぜったいち」というものが何かを解説するよ!

「不等号」「絶対値」を わかりやすく解説(テスト対策ポイント)のPDFをダウンロード

「不等号」「絶対値」を わかりやすく解説(テスト対策ポイント)

「不等号」「絶対値」を わかりやすく解説(テスト対策ポイント)のPDF(10枚)がダウンロードできます。

PDFを印刷して手書きで勉強したい方は以下のボタンからお進み下さい。

数の大小とは

「数の大小」とは、そのまま「ある数が、他の数と比べて大きいか小さいか」を考えることだよ。

他の数より大きいか小さいか・・・って、
今更!??

くまごろうくまごろう

それが、中学数学では「負の数(マイナスの数)」が登場しているよね。
だから、数の大小を考えるときも、単純じゃなくなってくるんだ。

ザックリいうと
中学数学で数の大小を学ぶ理由は・・

マイナスの数の場合に「どちらの数が大きいのか」を間違えないように注意しよう!ということ

くまごろうくまごろう

ある2つの数があるとき、どちらが「大きい数か」は分かるかな?

えっ
そんなのカンタンだよ。
例えば、5と7だったら
7の方が大きい数だよね。
そのまま「大きい数字の数」を選べばいいんでしょ。

くまごろうくまごろう

小学校の算数までだったらそうだね。
でも、中学数学では、負の数(マイナスの数)が登場しているから、「見かけの数」で考えるだけだとダメなんだ。

さっきの例でいうと、
−5と−7だったら、どちが「大きい数」か分かるかな?

5と7なら、7の方が大きい数字だから・・
・・あれ??

くまごろうくまごろう

そう。
7の方が大きい数字だけど、負の数では、「大きい数字」=「大きい数」ではないんだ。

数の大小は、数直線を使うと一目瞭然!

くまごろうくまごろう

それぞれの数を数直線で表してみよう。

数直線では、「右に行くほど数は大きくなって、左に行くほど数は小さくなる」 よ。

−7は、−5よりも左側にあるね。
ということは、−7と−5では、−5の方が数が大きいんだ!!

くまごろうくまごろう

正の数では、「0から離れれば離れるほど(右に行けばいくほど)」数はどんどん増えていくよね。でも、負の数では、「0から離れる」ということは、0にどんどん遠くなっていくんだから、その数は「小さく」なっていってしまうということだね。

負の数(マイナスの数)では、数字が大きいほど「小さな数」になる!

不等号ふとうごうとは

ザックリいうと
「どっちが大きいか」を表す記号!

くまごろうくまごろう

不等号のマークは見たことあるんじゃないかな?

イコール のマークは「等しい」ということを表すよね。

\(3+5=8\)
「3と5を足したものは、8と等しい」ということ!

くまごろうくまごろう

この「=」のことは「等号とうごう」と呼ぶんだ。
ひとしい」ことを表す「記」だからだね。

不等号はというと、こんな記号を使うよ。




不等号は、「大きく口が開いているほう」が「大きい」ということを表すよ。

例えば、

A<Bだったら、
「BはAよりも大きい」ということ。

A>Bだったら、
「AはBよりも大きい」という意味なんだ、

くまごろうくまごろう

どうして「不等号」という名前かというと・・
「どちらかが大きいことを表す」わけだから、
つまり「2つの数は等しくない」ということだよね。

そうか!
しくない」ことを表す「記」だから、「不等号」なんだ!

不等号はどうやって「読む」の?

\(2<5\)
「2 しょうなり 5」

\(5>2\)
「5 だいなり 2」

と読むよ!

3つ以上の数の大小を不等号で表すには?

3と5と7を不等号で表してみるよ。

小さい順なら、
\(3<5<7\)
大きい順なら、
\(7>5>3\)

と表すよ。

\(3<7>5\)
というように、「大きい」や「小さい」の向きを混ぜて使うことはしないので注意!

絶対値ぜったいちとは

教科書にはなんて書いてあるの?

絶対値とは
数直線上で、ある数に対応する点の原点からの距離を、その数の絶対値という。
くまごろうくまごろう

実際に数直線で見てみよう。

「スタート地点」から、「東」と「西」に分かれている数直線で考えてみよう。

くまごろうくまごろう

みつお君は「西」へ5km、たろう君は「東」へ5km進んだとするよ。
このとき、数直線で表すと
みつお君は「−5」で、たろう君は「+5」になるね。

でも、みつお君はスタート地点から「5km進んだ」わけで、たろう君と「歩いている距離は同じ」だよね。

くまごろうくまごろう

このように、「絶対値」というのは、原点(スタート地点・基準の点)から「どのぐらい距離があるか」ということを表すことなんだ。

絶対」という言葉は、
絶対約束だよ!」と使うように、「必ず」というイメージが強くないかな?

実は「絶対」には、「立することをつ」という意味もあるんだ。
つまり、「対立する(比べる)ことを絶つ(やめる)」ということ。

なので、「+」とか「−」とか比べることなく
ただ単に「それが原点からどのくらい動いたのか」で考える ということなんだ。

絶対値について説明しているイラスト

くまごろうくまごろう

まぁ、ムズかしく考えずに、
+5の絶対値は「5」、−5の絶対値も「5」
つまり、「符号をとってしまうだけでOK」と考えても大丈夫だよ。

でも、一体なんのためにこんな面倒くさいことまで考えるの?

絶対値は、今ではまだ「一体何に役立つの?」とピンとこないけど、この先の高校数学や複雑な学習で必要になってくるよ。

くまごろうくまごろう

実は、「負の数の大小」を見分けるときにも早速「絶対値」が役に立つんだよ。

−5と−7、どちらが大きい数字かを考えるときに、「負の数では、数字が大きい方が小さい数になる」のがポイントだったよね。

そうか、この「数字が大きい」というのは、「絶対値が大きい」ということだったんだ!

つまり、負の数の大小を考えるときは、数直線で表さなくても、「絶対値が大きい」ほど「数は小さくなる」ということ
絶対値を見れば、どちらが大きい数なのか、小さい数なのか一目瞭然ということだね。

yuminekoyumineko

もちろん、正の数の場合は、「絶対値が大きい」ほど「数は大きくなる」よ!

絶対値の記号

絶対値の記号には、「||」のように、2本の縦線を使うよ!
|5|は「5の絶対値」、
|−5|は「−5の絶対値」という意味になるよ。

こういう問題が出る!

yuminekoyumineko

実際の問題は、こういう風に出てくるよ

数直線を使って、数の大小を不等号で答えるタイプ

数直線を利用して、次の各組の数の大小を、不等号を使って表しなさい。

(1)\(−6 、+8\)
(2)\(−3、−9\)

【考え方】

①まずは それぞれの数字を
数直線の上に記入しよう!

②それぞれの数字のうち、
左側にあるものほど「小さい数」。
(右側にあるものほど「大きい数」)

ということは、左側にある「−6」は、右側にある「+8」よりも小さい数ということだね。

小さい数順(または大きい数順)に、
不等号の記号「<」(または「>」)を使って書こう

こ答え
(1)−6<+8
※+8>−6でも正解

(2)−9<−3
※−3>−9でも正解

くまごろうくまごろう

小さい順に表したときは−6<+8になるし、大きい順に表したときは+8>−6になるね。
これはどちらでも正解だよ。
不等号の記号の「開いている方」が大きい数の方になるようにだけ注意してね

これでOK!

数の大小を不等号を使って表わすタイプ

次の各組の数の大小を、不等号を使って表しなさい。

(1)−7、−4
(2)+6、+11

さっきの問題と違うのは、「数直線を使って」という部分がないことだね。
つまり、「数直線をヒントにできない」ということ。

このとき役に立つのが「絶対値」なんだ。

 ①数字の組み合わせが、
「正の数」なのか「負の数」なのか見る

(1)をみてみよう。
\(−7\)と\(−4\)の組み合わせなので、「負の数」だね。

(2)は、
\(+6\)と\(+11\)なので、「正の数」だね。

②絶対値で数の大小を判断する!

「正の数」のときは、絶対値が大きいほど「数は大きい」よ。
「負の数」のときは、絶対値が大きいほど「数は小さい」ね。

つまり、
(1)は負の数なので、絶対値が大きいほど数は小さくなる。
−7の絶対値は「7」
−4の絶対値は「4」。
絶対値が大きい−7の方が−4よりも小さい数ということがわかるよ。

あとは、不等号で順番に書けばOK!

(2)は正の数なので、絶対値が大きいほど数も大きくなる。
+6の絶対値は「6」
+11の絶対値は「11」。
絶対値が大きい+11の方が+6よりも大きい数ということがわかる。

あとはやはり、不等号で順番に書けばOKだよ。

答え
(1)\(−7<−4\)
※\(−4>−7\)でも正解

(2)\(+6<+11\)
※\(+11>+6\)でも正解

分数で問題が出たときはどうする?

数の大小の問題では、問題に分数が登場することもあるよ。

次の各組の数の大小を、不等号を使って表しなさい。

\(-\frac{5}{8}\),\(-\frac{2}{9}\)

分母が同じであればいいけど、分母が違う分数だと、パッとみて「どちらが大きい数」かどうか分かりにくいよね。

くまごろうくまごろう

分数が出た時、どうすればいいか2つの方法があるよ!

方法①通分する

分母が違って分かりにくいのだから、「通分」すればいい ね。

\(-\frac{5}{8}\),\(-\frac{2}{9}\)だから、
通分すると

\(-\frac{45}{72}\),\(-\frac{16}{72}\)になるね。

絶対値は\(-\frac{45}{72}\)の方が大きい。
2つは負の数なので、絶対値が大きい方が数は小さくなるね。

あとは大小に合わせて不等号で表せばOK。
答える時は通分する前のもとの分数のまま答えよう。

方法②分数を「分子÷分母」することで小数に直す!

分数を小数に直せば、どちらが大きい数字なのかハッキリする ね。

分数を小数に直したい場合は、「分子」を「分母」で割ればよかったね。

上の問題だと、

\(-\frac{5}{8}\)は「\(−(5÷8)\)」で、 \(−0.625\)。

\(-\frac{2}{9}\)は「\(−(2÷9)\)」で \(−0.222\)。(小数点第3位を四捨五入したよ)

小数に直せば、絶対値は-0.625の方が大きいって分かるね。

あとは、「負の数」では「絶対値が大きいほど数は小さい」ので、

\(-0.625<-0.222\)

問題では分数だったから

\(-\frac{5}{8}\)<\(-\frac{2}{9}\)が答えだよ。

答え

\(-\frac{5}{8}\)<\(-\frac{2}{9}\)
※\(-\frac{2}{9}\)>\(-\frac{5}{8}\)でも正解

中学数学ではココを押さえればOK!
数の大小まとめ

まとめ
  • 数直線では「右にいくほど数は大きくなる
  • 数直線では「左にいくほど数は小さくなる。
  • どちらか片方が、もう片方よりも大きいことを表す記号を不等号ふとうごうと呼ぶ。
  • A<Bは、「AはBよりも小さい」「BはAよりも大きい」ことを表す。
  • A>Bは、「AはBよりも大きい」「BはAよりも小さい」ことを表す。
  • 3つ以上の関係を表す時、<と>の向きを混ぜて使ってはいけない
  • 数直線上で、ある数に対応する点の「原点からの距離」を、その数の絶対値ぜったいちという。
  • 負の数では、絶対値が大きいほど数は小さくなる。
  • 正の数では、絶対値が大きいほど数は大きくなる。
  • 分数を含む数の大小を答える場合の方法2つ
    ①通分して考える
    ②分数を小数に直して考える
yuminekoyumineko

運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

感想や意見を聞かせてね

  1. けなそゆしか勝たん より:

    ぜひ続きもお願いします

    • yumineko より:

      けなそゆしか勝たん さん

      わかりました!
      できるだけ早めに続きが書けるように頑張りますね。

  2. けなそゆしか勝たん より:

    ぜひ続きもお願いします

    • yumineko より:

      けなそゆしか勝たん さん

      わかりました!
      できるだけ早めに続きが書けるように頑張りますね。

  3. けなそゆしか勝たん より:

    ぜひ続きもお願いします

    • yumineko より:

      けなそゆしか勝たん さん

      わかりました!
      できるだけ早めに続きが書けるように頑張りますね。

  4. けなそゆしか勝たん より:

    目次にある加法、減法のところです。

  5. けなそゆしか勝たん より:

    目次にある加法、減法のところです。

  6. けなそゆしか勝たん より:

    目次にある加法、減法のところです。

  7. レンマ学(草枕) より:

    数の世界(数直線)の風景(HHNI眺望)は、5冊の絵本で・・・
     絵本「こんとん」
     絵本「みどりのトカゲとあかいながしかく」
     絵本「哲学してみる」
     絵本「わのくにのひふみよ」
     絵本「もろはのつるぎ」

     母の日に臍を観つめてひふみよに
     寸心忌こん・こんこんで線に生る