①まだわかっていない数を表す文字
「まだわかっていない数を表す文字」
教科書にはなんて書いてあるの?
場面や数量の関係を式に表すときに、□や○、△などの記号のかわりにχやα、bなどの文字を使うことがある。
まだわかっていない数をχなどの文字を使って式に表して、答えを求めることがある。
なんだかピンとこないね。
ひとつずつ「わかりやすい言葉」に通訳しながら解説するよ。

「数量」とは、あるものの数とか量のこと。たとえば、「1個125gのトマトが5個入った袋の重さ(袋の重さは抜く)」とか「1000円で買えるトマトの数」とか・・
こういう「シーン」とか「あるものの数や量」を、算数の「式」で表すとき という意味だね。
続けるよ。

その時、式の中で「いくつなのかわからない数字」をあらわすために「□とか○、△」を使っていたんだよ。

続けるよ。
ほかにも、「合計いくらだったのか」もナゾだね。
こういう、「まだわかっていない数」というのがあったとき、それはとりあえず「χ」とかの文字で表して計算して、答えを求めちゃおう、ということ を言っているんだよ。
たとえば、トマトがひとつ100円、じゃがいもはひとつ50円で10個買ったとして、お買いものの合計が1000円だったとするよね。
このとき、「トマトはいくつ買ったのか?」という答えを求めるとき、
「トマトを買った数」は「まだわかっていない数」だよね。
ということは、「トマトを買った数」を表すために「χ」を使う んだよ。

それでは実際に計算をして「χ」に当てはまる数字、つまり答えを求めてみよう!
トマトはひとつ100円だから、トマトを買った金額は「100円×トマトを買った数」だから「100×χ」だね!
じゃがいもの金額は「50円×10個」だから、「50×10」で「500」だね。
式にすると・・・
100χ+500=1000
(トマトの金額+じゃがいもの金額=1000円)
100χ=1000一500
(トマトの金額は1000円一じゃがいもの金額)
100χ=500
(トマトの金額は500円)
つまり、(1個100円のトマトをχ個買うと500円)
χ=5
(トマトを買った数は5個)
どうしていちいち文字にするの?
そのままで式にすると・・

いちいち書くのも面倒だよね。
「トマトを買った数」という言葉を「χ」という1文字で表すことができるなんてとっても便利だよね!
しかも、「まだわかっていない数」ならなんだっていいんだ。
もし「じゃがいもを買った数」が分からない場合でも使えるし、「合計金額」が分からない場合でも使える。

なんで「χ」なの?
□や○、△でも「まだわかっていない数」を表すことはできていたね
。
でも、3年生くらいの算数の問題ならそれで間に合ったけれど、6年生や中学、さらに高校となると、とても複雑な式を作ることになったりするんだ。
□や○、△を全部使ってしまって、まだ必要だったらどうする?
☆とか♡とか・・◎とか?
でも、手で式を描くのに、複雑な図形を描くのはそれだけで大変だね。
それよりも、アルファベットの「文字」で表したほうが、種類も26文字あるし、ハッキリ区別できるよね。
これには、色々説があるんだけど、一番正しいんじゃないか?と言われている説を紹介するね。
どうして「χ」を使うのか?
フランスの数学者の「デカルト」という人は、「すでにわかっている数字」を文字で表すのに、アルファベットの最初から順番に「α」「b」「c」・・と表した。
逆に「まだわかっていない数」を文字で表すためにはアルファベットの最後から順番に「z」「y」「χ」・・と表すことにした。
デカルトの時代では、印刷するときに「活版印刷(かっぱんいんさつ)」という方法が使われていて、「活字(かつじ)」と呼ばれる文字ひとつひとつの版を並べて印刷していたんだ。
その時、「χ」はあまり使われる機会がなくて(つまり、χが入っている言葉がもともと少ない)、たくさん版が余っていたので、
「じゃあたくさん余っている「χ」を優先して使おうか」
ということで「χ」が使われるようになったという説があるよ。
この「x線」、発見したレントゲンが「未知のものを発見した!!」という意味を込めて「まだわからない=x」ということで、「x線」と名付けたんだよ。
どんな問題が出るのかチェック!
問題
ひとつ40円のチョコを4つと、ジュースを1本買った。
代金の合計は320円だった。
ジュース1本の金額はいくらか、「ジュース1本の金額」を「χ 」として式で表し、答えをもとめなさい。

これで問題文から
160+χ=320
という式が出来たね。
あとはこの式のχをもとめればいいんだ。
χ=320−160
χ=160
答え:ジュース1本の値段は160円
6年生はココを押さえればOK!
「まだわかっていない数を表す文字」まとめ
ザックリいうと
「まだわかっていない数」が登場する問題では、これまでは□とか△なんかを使っていたけど、これからは「まだわかっていない数」を「χ」とか「α」、「b」などの文字であらわすよ!ということ。
※赤いキーワードは必ず覚えよう!
- あるシーンや、ものの数や量の関係を表すときに、アルファベットの「χ」や「α」「b」などの文字を使うことがある
- 「まだわかっていない数」を「χ」などの文字を使って式に表して答えを求めることがある。